高校野球硬式:土浦日大が全試合逆転勝ちで頂点に

土浦日大高校野球チームが茨城国体で全試合逆転勝ちし、優勝を果たしました。

全試合逆転勝ちで頂点に 高校野球硬式 土浦日大ナイン「先制されてもあせらず」 いばらきの昭和 100 年 茨城国体④

昭和 49 年 8 月 12 日、兵庫県西宮市の甲子園球場。夏の全国高校野球選手権大会へ初出場した土浦日大は、初戦の 2 回戦で神奈川の東海大相模と対戦した。八回に捕手・荒川俊男の本塁打で勝ち越すが、九回、エースの工藤一彦が 2 死無走者から同点に追いつかれて延長へ。荒川は「工藤の表情に疲れが見える」と危惧していた。迎えた十六回、工藤は 1 死満塁から右前打を浴び、痛恨のサヨナラ負け。センターを守る林真人が「暑すぎる」と額をぬぐう強い日差しの中、3 時間 27 分に及んだ熱戦に観衆から惜しみない拍手が送られたが、ナインは疲労困憊(こんぱい)だった。

■1 日で練習再開 チームはその日のうちに現地を発ち、翌朝に土浦へ到着。いったん解散し、14 日に練習を再開した。甲子園のベンチ入り 14 人は全員 3 年。例年なら負けた時点で〝引退〟だが、10 月の茨城国体に開催県代表としての出場が決まっていた。当時、部のグラウンドは 1 つ。国体チームはひととおり練習をこなすと、秋の大会が控える 2 年生主体の新チームへ場所を譲った。

この年、夏の甲子園で全国制覇した千葉の銚子商業が国体の約 2 週間前に茨城入り。練習試合などで交流のある土浦日大ナインらと 10 月 5 日、土浦の花火大会を仲良く楽しんだ翌日、両チームは大会会場となる水戸市の県営球場で練習試合を行い、引き分けた。20 日に那珂町(現那珂市)の笠松運動公園陸上競技場で行われた開会式。緑色のジャケット、白い帽子とズボンの県選手団ユニホームに身を包んだ荒川は「茨城の名を背負った」と身の引き締まる思いだった。整列中の土浦日大ナインへ「先輩!」とあいさつに来たのは、先の甲子園大会で対戦した東海大相模の 1 年生、原辰徳だった。

高校野球(硬式)には、甲子園の 8 強を中心とする計 12 チームが出場。鹿児島実業の定岡正二や原ら人気選手を追いかける若い女性ファンも目立った。土浦日大は 23 日、初戦の 2 回戦で富山の高岡商業に 2-1 と逆転勝ち。荒川が決勝の適時二塁打を放った。翌 24 日の準決勝、京都の平安(現龍谷大平安)戦も七回に追いつき、延長十回、サヨナラ勝ち。25 日の決勝の相手は、互いをよく知る銚子商業だった。

■決勝も逆転勝利 決勝は土浦日大が先制されたが、七回に同点に追いつき、延長十二回にサヨナラ勝ちを収めた。土浦日大の選手たちは、茨城国体で全試合を逆転勝利で飾り、見事優勝を果たした。

次に読むべきもの

国学院大・緒方漣が神宮で躍動!左越えソロで逆転勝利を導く
高校野球

国学院大・緒方漣が神宮で躍動!左越えソロで逆転勝利を導く

国学院大の緒方漣が六回に左越えソロを放ち、逆転勝利に貢献。守備でも頭脳プレーを見せ、攻守で躍動した。

浦和実のセンバツ躍進の鍵は打線にあり!変則左腕もさることながら「ソフトボールの打ち方」が勝利を呼ぶ
高校野球

浦和実のセンバツ躍進の鍵は打線にあり!変則左腕もさることながら「ソフトボールの打ち方」が勝利を呼ぶ

浦和実がセンバツで躍進した秘密は、変則左腕の活躍だけでなく、打線の「ソフトボールの打ち方」にあった。その詳細を解説。

逆境を乗り越える大山高校野球部の挑戦:スポーツ推薦導入で新たな一歩
高校野球

逆境を乗り越える大山高校野球部の挑戦:スポーツ推薦導入で新たな一歩

大山高校野球部が部員減少と私学無償化の逆風の中、スポーツ推薦を導入し、新たな戦略で都大会出場を果たすまでの軌跡を紹介。

横浜高のエース奥村頼人、松坂世代以来の秋春連覇を目指す決意と成長
高校野球

横浜高のエース奥村頼人、松坂世代以来の秋春連覇を目指す決意と成長

横浜高のエース奥村頼人が松坂世代以来の秋春連覇を目指す中、彼の成長と決意を紹介。

国学院大・緒方漣、母校横浜の『執念』を胸にソロ本塁打で勝利を決める
高校野球

国学院大・緒方漣、母校横浜の『執念』を胸にソロ本塁打で勝利を決める

国学院大の緒方漣が母校横浜高校の『執念』を胸にソロ本塁打を放ち、勝利に貢献。試合の詳細と彼の奮闘を紹介。

智弁和歌山の新たな挑戦:選抜準優勝から学び、春季大会で成長を目指す
高校野球

智弁和歌山の新たな挑戦:選抜準優勝から学び、春季大会で成長を目指す

智弁和歌山高校野球部が選抜大会での準優勝を糧に、春季大会での新たな成長を目指す挑戦を紹介。

浦和実・辻川正彦監督の甲子園夢:還暦前の第二の青春
高校野球

浦和実・辻川正彦監督の甲子園夢:還暦前の第二の青春

浦和実の辻川正彦監督が還暦前に甲子園での快進撃を振り返り、新たな目標に向けての決意を語る。

2025年春季甲子園:山本昌が注目する6人の3年生投手の未来
高校野球

2025年春季甲子園:山本昌が注目する6人の3年生投手の未来

山本昌が2025年春季甲子園で注目した6人の3年生投手の技術と将来性を詳細に解説。

【高校野球】滋賀の名将・奥村監督と息子頼人の野球人生!横浜での成長と夏の大会への期待
高校野球

【高校野球】滋賀の名将・奥村監督と息子頼人の野球人生!横浜での成長と夏の大会への期待

滋賀県立校の奥村監督とその息子・頼人投手の野球人生に迫る。横浜での成長と夏の大会への期待を語る。

【高校野球】藤枝東の科学野球が春季静岡県大会で快進撃を狙う
高校野球

【高校野球】藤枝東の科学野球が春季静岡県大会で快進撃を狙う

藤枝東高校が20年ぶりに県大会出場を果たし、科学野球で快進撃を目指す。データ分析を活用した戦略が鍵。

千葉ロッテ2軍移転の深層:君津市選定の背景と高校野球への影響
高校野球

千葉ロッテ2軍移転の深層:君津市選定の背景と高校野球への影響

千葉ロッテマリーンズの2軍本拠地が君津市に移転する背景と、その地元高校野球への影響を詳しく解説。

2025年春季東海地区高校野球大会:常葉大菊川、大垣日大、至学館が県大会初戦に挑む
高校野球

2025年春季東海地区高校野球大会:常葉大菊川、大垣日大、至学館が県大会初戦に挑む

2025年春季東海地区高校野球大会が開幕。常葉大菊川、大垣日大、至学館が県大会初戦に臨む。

2025年春季高校野球石川県大会の熱戦が開幕!日本航空石川対七尾の初戦に注目
高校野球

2025年春季高校野球石川県大会の熱戦が開幕!日本航空石川対七尾の初戦に注目

2025年春季高校野球石川県大会が19日に開幕。日本航空石川と七尾の初戦が注目を集めます。

25 年春の東京都高校野球大会、熾烈なシード権争い!
高校野球

25 年春の東京都高校野球大会、熾烈なシード権争い!

25 年春の東京都高校野球大会で各校がシード権を争う。

「横浜高校野球の輝き再び!」
高校野球

「横浜高校野球の輝き再び!」

センバツで優勝した横浜の高校野球チームの強さを総括

Load More

We use essential cookies to make our site work. With your consent, we may also use non-essential cookies to improve user experience and analyze website traffic. By clicking "Accept," you agree to our website's cookie use as described in our Cookie Policy.