夏の高校野球三重大会決勝:津商の堅守と攻撃の果敢さが光る試合
夏の高校野球三重大会決勝で、津商が堅守と果敢な攻撃で津田学園に挑む様子をレポート。

津商の堅守が試合を支える
津商は昨年秋と今年春の三重県大会で、それぞれの大会を制したチームに3回戦で敗れてベスト8止まりだった。特に春の県大会では2試合で計5失策と守備が安定しなかった。しかし、主将の榎本は春以降「一球への意識を強く持って練習してきた」と話し、その成果が夏の大会で現れた。
継投策と無失策の連続
津商は最大5人のタイプの異なる投手を起用する継投策に加え、1回戦から準決勝まで連続無失策の堅守で決勝まで勝ち上がった。10年ぶりの夏の頂点が見えた決勝の津田学園戦でも持ち味を発揮。3投手で失点を六回の1点に防いだ。
中堅手舘の好捕
二回に今大会初の失策を記録するも、五回2死二塁の先制のピンチの場面では、中堅手の舘が「毎日のように練習してきた」背走キャッチで津田学園3番田北の大飛球をグラブに収めた。このプレーが試合の流れを変える大きな転換点となった。
攻撃の果敢さ
攻撃では全員が「低く強い打撃」を心がけ、最速149キロを誇る津田学園左腕桑山に立ち向かった。八回には7番榎本、9番佐野の単打に、桑山の犠打処理のミスを突いて無死満塁と一打逆転の場面を作ったが、1番渡邉の好打が遊撃手の正面を突く不運もあり、本塁は遠かった。
監督と選手のコメント
試合後、宮本監督は「守備では春からの成長を感じた。攻撃では全国屈指の好投手に果敢に攻めていった姿が素晴らしかった」と選手をたたえた。捕手として投手陣を巧みにリードする一方、この日チームトップの2安打を放った榎本は「向こうが上でした。悔しさもあるがやり切ったという思いはすごくある」と話し、さわやかな笑顔を見せた。