【高校野球】京大進学を目指す文武両道のエース・吉満晴人、熱闘398球の軌跡 ~履正社戦で紡いだ青春の1ページ~
文武両道を貫く三国丘・吉満晴人投手が熱闘の夏に幕。398球を投げ抜いた末の履正社戦敗退も、京都大学進学後の新たな挑戦へ向けた決意を語る。甲子園を超える青春の物語。

公立校の星が放つ398球の軌跡
GOSANDO南港球場のマウンドに立ち続けた三国丘・吉満晴人投手(3年)の夏が、11-2のコールドゲームで幕を閉じた。春の府大会でノーヒットノーランを達成した右腕は、今大会3試合で総投球数398球という過酷なスケジュールを消化。前日登板後には整骨院でコンディション調整を行うなど万全を期したが、機動力重視の履正社打線に7回11失点を喫する結果に。
データ分析が生んだ攻防戦
履正社打線は吉満のクイックモーション対策を徹底研究。2回表の2死満塁から5番打者が放った中前適時打、4回の3連続バント作戦など、戦略的な攻撃で試合の主導権を掌握。これに対し吉満は「チェンジアップで内角を攻める」という自身のスタイルを貫き通したが、鋭いライナーが続出する苦しい投球が続いた。
グラウンドに響いた最後の笑顔
試合終了後、マウンドで帽子を深くかぶった吉満投手は、突然観客席に向かって全力のガッツポーズ。「先輩たちの16強記録を超える8強を目指していたので悔いは残りますが」と語りつつも、「甲子園常連校レベルの強打と真正面から勝負できた経験は財産です」と清々しい笑顔を見せた。
京大野球部で描く新たな夢
進学校ならではの選択として京都大学進学を表明した吉満。「関西学生連盟の強豪校との対戦が楽しみ」と目を輝かせる。高校時代に果たせなかった「ジャイロボールの完全習得」に挑む覚悟で、「学問と野球の両立で新たな道を切り開きたい」と力強く語った。
※戦績メモ
- 通算被安打:今夏3試合で23安打
- 奪三振率:9.1(27回27奪三振)
- 最速球速:138km/h(2回表計測)