巨人・吉川尚輝のリーダーシップ:投手陣を支える「兄貴分」の存在感
読売巨人の吉川尚輝が投手陣を支えるリーダーシップとその言葉の力について詳しく解説。

投手陣を支える吉川尚輝の存在感
読売巨人の内野手・吉川尚輝(30)は、今季チームで唯一の全試合出場を続け、内野陣のリーダーとしてその存在感を発揮している。特に、投手が劣勢に立たされた時、彼は二塁の定位置からそっとマウンドへ向かい、短い言葉で投手を鼓舞する。その言葉は絶妙に心に刺さり、投手たちの奮起を促す。
赤星優志とのエピソード
4月25日の阪神戦、三回に4番佐藤輝に手痛い3ランを浴びた直後、吉川は赤星優志(25)に「想定内、想定内」と声をかけた。赤星は慰めの言葉を期待していたが、その代わりに肩すかしを食らったような気分になったという。しかし、その言葉で気が引き締まり、以降は無失点で立ち直ることができた。
石川達也への背中を押す一言
6月22日の西武戦では、今季から加入した左腕石川達也(27)が九回に登板し、一死三塁のピンチを招いた。その時、吉川は「たっちゃん頑張れ!」と声をかけた。石川は「マウンドには投手1人しかいない。あの声で『もう一回、ここ頑張ろう』って思えた」と語り、吉川の言葉がどれだけ勇気づけられたかを明かした。
無言の気遣い
一方で、投手が気持ちよく投げていると感じる時は、吉川は声をかけない。5月23日に赤星がプロ初完封を飾った試合では、一度もマウンドに足を運ばなかった。これは、右腕のペースを崩さないように無言を貫いた吉川なりの気遣いだった。
古城内野守備コーチの評価
現在の内野陣は、岡本が左肘の負傷、坂本が不調で長く一軍を離れ、吉川以外は20歳代の若手が中心だ。古城内野守備コーチは、「時に投手に厳しいことも言う(坂本)勇人に対して、尚輝は柔らかい感じで『お兄さん』みたいな感じになってきた」と、吉川のリーダーシップを頼もしく見ている。
吉川の言葉の力
「マウンドに行くと注目も浴びちゃうし、ちょっと嫌だけど……」と笑う背番号2の言葉も、投手たちを大きく勇気づけている。吉川尚輝のリーダーシップとその言葉の力は、読売巨人の投手陣にとって欠かせない存在となっている。