長友佑都の挑戦:若手と共に歩む北中米W杯アジア最終予選
38歳の長友佑都が若手選手と共に北中米W杯アジア最終予選に挑む意気込みを語る。

長友佑都の意気込み
2025年6月2日、北中米W杯アジア最終予選オーストラリア戦を控えた日本代表のDF長友佑都(FC東京)が、敵地パースでの初日練習後に報道陣の取材に応じた。長友は「W杯に向けてのサバイバルだなと。チームとしてもちろん勝つことは大事だけど、個人でしっかりアピールできないとそこにつながっていかない。W杯は決まったけど、勝負の日々は続く」と生き残りへの意気込みを語った。
森保一監督の戦略
前回3月シリーズのバーレーン戦に勝利し、史上最速で北中米W杯出場権を獲得した日本代表。森保一監督は今回の6月シリーズにおいて、これまでの最終予選で主力を担ってきた欧州組の多くを招集せず、初招集7選手を含む14人を新たに招集。相手が真剣勝負を挑んでくる最終予選の舞台で選手層の拡大に着手した。
長友の役割
自身5度目の最終予選を戦う38歳の長友だが、過去4回は最終シリーズまでW杯出場決定が持ち越されていたため、最終予選中に新戦力のテストを行える代表活動は今回が初めて。「代表のこの雰囲気であったり、日の丸を背負うことの重みや、戦術的なところも含めて短い時間で合わせていかないといけない」という代表の宿命に向き合いつつ、まとめ役を担っていく構えだ。
若手選手との交流
パリ五輪世代以下の選手が14人を占めているのも今回のメンバー編成の特色で、なかでも初招集のMF佐藤龍之介(岡山)は2006年生まれの18歳。ロサンゼルス五輪世代から初のA代表入りを果たしており、若手の突き上げにも期待がかかる。
FC東京の育成組織出身の佐藤は一昨年からFC東京とプロ契約を交わしており、今季は期限付き移籍で岡山に加わっているが、長友とは先輩後輩の間柄。「龍之介とは20歳離れているので自分の息子と言っても過言ではないくらいの歳の差だけど、同世代と話していてもそうだし、彼らと話していても、僕がありのままの自分で彼らに接することで何か伝わるものはあると思う。経験とか生き様が彼らの心に響いてくれたらいいなと思ってコミュニケーションを取っていきたい」とピッチ内外で刺激を与えていく構えだ。
長友の決意
また長友自身も代表での生き残りをかけて臨む。昨年3月の代表復帰から継続して招集されているが、「日々怖い。いつ自分が排除されるのかという不安と恐怖と闘いながら日々過ごしている」と長友。「それを楽しまないといけないんだろうけど、なかなか大変ですよ」と心境を吐露しつつも、「でもここで食い下がって、這いつくばってでもこの場所を自分が保っていけるように頑張りたい」と生き残りへの決意をにじませた。